韓国健康保険審査評価院(HIRA)は、2026年7月1日、CHA医科学大学産学協力団に委託した「AI活用医療技術の診療報酬適正性評価基準の開発および保険収載方策に関する研究」の結果を公表しました。本研究は、現在、健康保険の暫定収載または新医療技術評価猶予制度の対象となっているAI活用医療技術およびデジタル治療機器(DTx)について、新医療技術評価を経た後に韓国の国民健康保険へ正式に保険収載する際に適用可能な診療報酬分類および補償体系を構築することを目的として実施されました。
研究では、AI活用医療技術を、その提供機能およびアウトプットの特性に基づき4つのカテゴリーに分類する案が提案されました。具体的には、画像読影を支援する技術を第1群、測定機能を提供する技術を第2群、疾患またはリスクを予測する技術を第3群、特定の医療機器と組み合わせて使用される技術を第4群としています。その後、各技術について診断精度、臨床的有用性および臨床的意義などを評価し、診療報酬の対象となるA群と、診療報酬の対象外となるB群へ再分類することが提案されました。
A群に分類された技術については、さらに技術レベルを上・中・下の3段階に区分し、報酬区分を1級、2級、3級および基準級に細分化した上で、それぞれの区分に応じた診療報酬を適用する案が示されました。保険診療と保険外診療を併用する場合には、基準級に相当する金額のみを保険適用とし、上位等級との差額については保険外診療として取り扱う方式も検討されています。提案された診療報酬額は約1,000ウォンから16,000ウォンの範囲であり、保険適用時には患者自己負担割合を50%、80%または90%とする選択的保険適用方式が提案されました。また、定期的な再評価を通じて臨床的価値が十分に確認されない技術については、保険適用から除外する、または診療報酬額を引き下げることが可能となる退出・調整メカニズムを整備する必要性も示されました。さらに、現行の新医療技術評価猶予制度の対象技術についても、暫定的な保険収載を認める制度改善案が提案されています。
また、HIRAはこれとは別に、「デジタル治療機器(DTx)の診療報酬適正性評価基準および正式保険収載方策に関する研究」の結果も公表しました。本研究では、DTxは患者自身が治療効果を直接体験するという特性を踏まえ、客観的な有効性評価と優れた製品の普及を両立させる診療報酬制度が必要であるとしています。正式保険収載後の診療報酬体系としては、医師技術料を処方料と治療効果評価料に区分し、さらに治療効果評価料を認知行動療法(CBT)領域とバイオフィードバック領域に区分する案が提案されました。特にバイオフィードバックについては、医師の業務量および評価負担を考慮し、認知行動療法より約1万ウォン高い水準で報酬を設定する案が示されています。また、DTxの初期普及と医療従事者による積極的な活用を促進するため、一定期間にわたり医師技術料を50%または100%加算する案も検討されました。これは、患者および医療従事者が製品の実際の効果を体験できる環境を整備するとともに、国民への利益をもたらすDTx産業エコシステムを持続的に発展させることを目的としたものと考えられます。機器使用料については、ドイツの事例と同様に製品タイプ別の固定額とする案が提案されており、正式保険収載後4年目に再評価を実施し、臨床的有効性または実用性が十分でない製品については健康保険の適用対象から除外できる退出メカニズムを導入する案も含まれています。
今回公表された2つの研究は、AI活用医療技術およびDTxについて、単なる暫定収載を超え、正式な保険収載に向けた具体的な分類体系と診療報酬の方向性を提示した点で大きな意義があります。今後、正式な診療報酬の適用を受けるためには、単なる技術性能だけでなく、診断精度、臨床的有用性、患者ベネフィットおよび医療従事者の業務負担などを総合的に立証することが重要になると考えられます。また、正式保険収載後も定期的な再評価を通じて診療報酬の引き下げや保険適用の終了が行われる可能性が示されたことから、企業には初期の保険収載だけでなく、長期的な臨床エビデンスの蓄積および市販後戦略を含めた対応が求められます。
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